連載
□図書室はお昼頃に行きましょう
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「御馳走様でした!」
朝食は味気ない品目だったが、腹ペコだったのを差し引いてもおいしかった。
「吸血鬼ってこーゆーもん食べんの?」
扉に寄りかかりながら興味深げにこちらを見ていたシルバーに訊く。
やっぱり何だか動物園の動物のような気分…。
「食べないな」
素っ気ない返事とともに、小さく欠伸。
「・・・眠い」
「寝ればいーだろーが。…そういや吸血鬼って夜行性なんだよな」
「ヤコーセー?・・・夜動くってことか?」
「んー、まぁそんな感じ。思ってたんだけどさー夜動いて得あんの?」
「得っていうか…、太陽が嫌い」
だから手ぇ白いんだ、とは声に出さず一人で納得しておいた。
シルバーがまた欠伸をする。
今度は大きく欠伸。
「眠い・・・」
「だから寝ればいーだろーが」
「・・・そうする」
外に出かけたシルバーが思い出したように振り返る。
「『中』では自由にしていていい」
では、という言葉に反応する。
「『外』出ちゃダメなのかよ?」
「…止めはしないが確実に狩られるな」
特にお前みたいな子供はな、と付け加えられて、いらっときた。
子供と言われて怒るのは子供の証拠か。
オレはシルバーが出ていく際に閉めた扉をじっと見つめた。