連載
□夜は探検しないようにしましょう
1ページ/6ページ
-----眠れない!!
何十回目か分からない寝がえりをうつ。
横になってたら眠くなるかも、なんて甘かった。
むしろ眠気はどんどん遠ざかってる気がしてならない。
無意識に首筋に触れる。これもさっきから何十回もやっている。
眠れないのは色々な事がありすぎた所為だ。
そして首筋のこのアトがそれの証だ。
門限を守るべく近道をしたところ吸血鬼にさらわれ
血を吸われたのにも関わらず殺されずに済み
挙句の果てに名前までつける事になろうとは! 眠れなくなって当然だ。
「・・・っよし!」
がば、と勢いよくベッドから上体を起こす。
横になっているのにはもう飽きた。どうせなら有意義に過ごそうではないか。
石造りの床に素足を乗せるとひやり、と冷たかった。余計に目が覚める。
さぁ、いざ行かん。
何かの本で読んだ台詞を口の中で呟いて、オレは部屋の扉を開けた。