ポケスペ

□タマゴ1
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「おわっ!?」


奇声、と同時にドスンと地面に何かが落ちる。
クリスが事も無げに言う。


「あらゴールドおかえりなさい」

「・・・今そんな状況じゃないんスけど」


突進された勢いで座り込んだらしいゴールドが恨みがましくいう。
座り込んだゴールドの膝の上にちょこんと毛糸玉が乗っている。
・・・何だか腹立だしい。


「ったくなんなんだっつの」

「いいじゃないの、懐いてんだから」

「コレ懐いてんの?」

「懐いてる、懐いてる」

「うわーなにその投げやりな感じ。なぁメリたろう」


メェ、と嬉しそうに毛糸玉が言う。
・・・なんかすごくムカつく。

クリスが顔をしかめて、何を言うかと思えば、


「ちょっとゴールドさすがにメリたろうは無いでしょ」

「何で?カッコいいし可愛いじゃん」

「いや可愛くは無い!断じて無い!!」

「んだよそうせお前アレだろ?いい年してメリぴょんだろ?」

「いい年とか言わない!!そっちもでしょ!」

「何言ってんだよ、オレのは全国共通だから」

「どこが!?もう、ほんと有り得ないわ。ねぇ、メリぴょん」

「メエ!!」

「ほーら嫌がってるじゃねぇか。メリたろうの方がいいよな」

「メエッ!!」

「あらぁ?嫌がってるわよー?」

「なにその言い方ムカつく!」


ふと思いだしたようにゴールドが顔をあげる。


「あ、じゃあシルバ−名前つければ?」


話を振られて一瞬戸惑う。

名前・・・、ふと思いついたのは


「・・・・・・毛糸玉?」

「「ええっっ!?」」


二人が見事にハモる。


「無い無いそれはさすがにない!」

「そうよ、デンリュウになった時どうするのよ?」

「いやそこじゃねーだろ」

「でも、意外に気に入るかも・・・」

「メエッ!」

「はい残念でしたー。他の!」

「はぁ?そんな思いつかな」


パタパタと足音。
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