連載
□夜道を歩く際は細心の注意を払いましょう
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目が覚めた。
後頭部が痛い。決して良い目覚めではない。
記憶をぼんやりと手繰り寄せる。
道の終わりに見えた、あのヒトカゲ。
もしかして、いや、もしかしなくともアレは。
後方に物音。
勢いよく振り向くと、あの時見えたヒトカゲと同じ、
-----その姿人と酷似したり。されど違いし箇所もまた多し。獣の如し牙をもち…えーっと、獣の如し爪をもつ…だっけ。
ここまでしか覚えてない。
学び舎で教えられたものなんてそんなもんだ。
とにもかくにも、オレの目の前にいるのは
出来れば一生見ないで過ごしたかった「吸血鬼」だった。