COW

□手当
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取り立てをするために探していた男にレイプされかけて怪我をした女を会社まで連れて帰り手当てをすることになった丑嶋

女が襲われた公園から車を走らせること20分

目的の場所に到着した丑嶋はゆっくりといつもの場所に車を止めエンジンを切った

エンジンを切ったことにより心地よい揺れが無くなったからか先ほどまで小さく寝息を立てていた助手席の女が小さく声を上げてゆっくりと顔を上げる

そしてハッと目を見開くと少し慌てた様子で運転席のほうを振り返った

そうすれば必然的に丑嶋と視線が絡み今自分が置かれている状況を思い出したらしい女はビクリと肩を揺らす

それと同時に助手席側の窓がコンコンと叩かれ再び肩を揺らした女がそちらを振り返れば小さく笑みを浮かべる高田の姿があった

丑嶋はそれを見るとガチャリと車の鍵を開ける

高田はロックが解除された音を聞くと助手席のドアを開いた






「着いたから出られる?」

「あ・・はい・・」






ドアを開け少し冷たい空気が車内に流れ込み小さく体を震わせる

そうすれば高田が先ほどと同じ様に優しく手を差し出してくれた

女はその手を取るとゆっくりとした動作で車から降りる

それを見送り自分も車を降りた丑嶋は再び車の鍵をかけると2人の前を歩き会社の中へと足を進めて行った



















ガチャ・・ッ

「今戻った」





会社のドアを開き短くそう言うと丑嶋を先頭に高田・女の順番で中へと入る

そうすればまだ仕事をしていた社員の視線がそちらに向けられ同時にその瞳が驚いたように見開かれた

そして一番最初に口を開いたのはマサル





「社長 高田さん・・その女なんすか?」





もう会社も終わる時間

今までこんな時間に客を連れてきたことなどない

しかも見やればなにやら様子もおかしい3人に眉間にしわを寄せながらも動揺を隠しきれなかった

丑嶋がどこから説明すればいいだろうかと少し考え込むとマサルとの間に割り込んできた高田が口を開く






「みんなには俺が説明しておきますから
社長は彼女のこと見てやってあげてくれます?」

「あ?俺が?」






てっきり高田が面倒をみてくれるものだとばかり思っていた丑嶋はぴくりと眉を動かした

しかしよく考えてもみればこの女と関わったのは自分なのだからその面倒を部下に押し付けるもの確かに少し違うし高田のほうが上手くこの状況を説明してくれるだろうと思いチラリと視線を後ろに立っている女に向ける

そして高田から手当てをするための道具の入った袋を受け取ると女についてこいと短く声をかけ隣の今は誰も使っていない部屋に向かった







ガチャ・・パタン

「・・・・・こっち来い」

「・・・・ッはい」






部屋の電気を付け端に寄せてあったイスを2人分出した丑嶋にちょいちょいと手招きされ女はびくびくしながらもふらつく足取りでそちらに向かう

ドカリと片方のイスに腰を下ろした丑嶋に「そっちに座れ」と言われたので言われた通りに自分も腰を下ろした

チラリと視線を目の前の丑嶋にやれば先ほど受け取った袋から頬を冷やすための湿布などを漁っている

その様子をじっと見つめていると再び丑嶋の視線が上がりバチッと目が合ってしまった

突然目が合い慌てた女が体をビクリと揺らすが丑嶋はそれを大して気にする様子もなく手に持っていた湿布をペリペリとはがす




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