†私立青春学園†(更新停止中)
□ † Birthday&Valentine†
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†Birthday&Valentine†
2月14日―バレンタインデーであり、氷帝レギュラー・鳳長太郎の誕生日。
此処は氷帝学園前・・・
「はぁ・・・。鳳さん、まだかなぁ・・・。」
リョーマは恋人である鳳にチョコを渡すために氷帝学園の前まで来ていた。
到着してから既に20分は経過していた。
チラッと校門を見たら、丁度、宍戸と共に鳳が歩いて来た。
「来た!!」
リョーマは鳳の元に駆け出そうとしたが・・・
「鳳君!このチョコ・・・貰って下さい!!!」
「わ、私のも・・・お願いします!!」
「私、鳳君のファンです!!!」
鳳と宍戸の周りにには女子の集団が出来てしまった。
鳳だけでは無く、宍戸にもチョコを渡している女子も何人もいるが・・・
「サンキュ・・・。でも悪い、受け取れねぇ。」
と言い、受け取らなかった。一方、鳳は・・・
「えっ、えっ、えっ・・・;」
しどろもどろ状態だった。
自分という存在がいるのに、チョコは受け取れないと言えない鳳を見たリョーマは複雑な気持ちになってしまった。
「・・・!ち、長太郎!!越前が・・・。」
「え!?」
鳳は宍戸が指差した方を見たら、リョーマは俯き、その場から去ってしまった。
「越前君―!!!」
女子の集団から抜け出し、リョーマの後を追った。
「越前君!待って下さい!!」
幾ら鳳が声を掛けても、リョーマは止まらない。
「越前君!!!」
鳳はやっとリョーマの腕を掴んだ。
「越前君!どうして・・・いきなり逃げるんですか!?」
「・・・・・。」
「お願いです・・・。教えて下さい・・・。」
鳳の声が弱々しくなっていく。
「・・・女子に『チョコ、受け取れない』って何でハッキリと言わなかったの・・・。」
「それは・・・その・・・。」
「・・・・・。」
「傷付けそうで・・・。」
「・・・・・。」
「越前君?」
「鳳さんって、優しいよね。」
「え・・・?」
リョーマの言葉に鳳は意味が解らなかった。
「俺達さぁ、今は普通に付き合えてるけど、結婚までは・・・出来ないよね?」
「越前君・・・!」
「だってそうでしょう!?日本で男同士の結婚式を挙げたら鳳さんに迷惑掛けるし!!」
「越前君!!」
「鳳さんの事を好きっていう女子もいっぱいいるしさ!!」
「リョーマ!!」
「・・・!?」
初めて下の名前で呼ばれた。
リョーマは涙で濡れている顔を上げた。鳳は、そんなリョーマを抱きしめた。
「俺には・・・リョーマしかいないんです!!
例え日本で結婚を認められなくても、俺は・・・リョーマだけを愛し続ける!!!」
「鳳・・・さん・・・。」
「愛してます・・・リョーマ。」
「鳳さん・・・。・・・俺も・・・愛してる。」
二人は愛を誓う様に、口付けた。
「鳳さん、コレ・・・受け取ってくれる?」
リョーマが差し出したのは、ラッピングに多少シワがある物と、綺麗にラッピングされている物だった。
「二つ?」
「バレンタインのチョコと誕生日プレゼント・・・。
プレゼントは店の人がやってくれたから綺麗だけど、チョコの方は俺がしたから少しシワができちゃった・・・。」
「ありがとうございます。とても嬉しいです!!!」
「良かった。」
そして、二人は仲良く手を繋いで帰って行った。
「あの・・・」
「何?」
「チョコ・・・リョーマが食べさせてくれませんか?」
「・・・今日は特別だからね/////!」
「はいv」
甘い誕生日を召し上がれ・・・。 From.リョーマ
†END†
〜アトガキ〜
初めての鳳×リョーマです。
最初は海堂にしようかと思いましたが、よくよく見れば小説の殆どが海リョ!(笑)
なので、誕生日でもある鳳にしました!!結構、鳳リョも好きですv
宍戸がチョコを受け取らなかった理由は、リョーマと鳳が付き合っているのを知っていますが、
やはりリョーマに対する想いは消えないので、他の人からのチョコは絶対に貰わないと心に決めているからです。