†私立青春学園†(更新停止中)
□†咲乱華〜コートに咲き乱れた華〜†
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その日の夜―
―鳳家―
「ただいま。」
「お帰りなさい。早かったですね。」
「今日は早く仕事が終わってね。御夕飯まだでしょ?今用意するから。」
「俺も手伝います。」
「あら、ありがとう。」
鳳と鳳の母はキッチンに立ち、御夕飯の準備に取り掛かった。
「あ、そう言えば・・・今日、長太郎の先輩の向日君が病院にきたでしょう?」
「はい。俺と日吉と宍戸さんも付き添いで一緒に行きました。母さんも見かけましたよ。
越前君とお話ししてましたよね?いつ知り合ったんですか?」
「越前君って、越前リョーマ君よね?」
鳳が母にリョーマの話しを持ち掛けると、母の笑顔が消え、少し悲しそうな表情になる。
「リョーマ君はね、生まれた時から難病を抱えてたの。日本・・・いえ、世界中でも治療法が見つかってない難病を。
アメリカからリョーマ君のカルテが届いて、私がリョーマ君の担当になった。カルテを見たときは驚いたわ・・・。
手足が動かなくなる症状が出ても可笑しくないのに、一度もそんな症状は出なかったと記されていた。
多分、幼い頃からテニスをしていたからと書いてあったの。
でも私はテニスを止めて、出来る限りの治療に専念して欲しくて、テニスを止める気はないかと聞いたわ。そしたら・・・」
『今のチームで全国へ行きたいんです!!お願いします!!!少しだけ待って下さい!!!』
「・・・!?」
「私は止める事は出来ないと悟った。ドクターにも相談して、無理はしない事と何か遭ったら直に連絡する事を条件に許可した。
・・・でも、『最近、手が時々だけど痺れる』って連絡が入った。それで今日は検査しに来てもらったのよ・・・。」
「結果は・・・どうだったんですか?」
「まだ結果は出てないわ・・・。」
「(そんな・・・越前君が・・・!!!)」
鳳は今日見たリョーマの笑顔が頭に過ぎった。