†私立青春学園†(更新停止中)

□†危険信号†(R)
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それから、リョーマと海堂は恋人同士になった。

しかし、リョーマはあまり良い気分では無かった。
一緒に帰ったりはするが、海堂は乾が用意してくれたトレーニングをこなす為、リョーマを先に帰す事が多かった。

数日後、レギュラーはスミレに呼び出された。
内容はダブルスだけの大会があり、その大会に出場するのでペアを作っておくとの事だった。


菊:「で、どーやって決めるニャ?」

不:「ゴールデンペアはそのままで良いんじゃない?氷帝や立海大も出るみたいだし。」

大:「そうだな。」

河:「いっその事、クジで決める?」

リ:「あの、俺も出るんスか?」

大:「勿論。手塚は大会までには一時期帰って来るけど、大事を取って出場しないんだよ。」

リ:「そうッスか。」

桃:「俺は越前と組た「さぁて、早く決めようか。」

リョーマ以外:「(ふ、不二(先輩);)」


結果―大石&菊丸、乾&河村、不二&桃城、リョーマ&海堂となった。


「では、今日からダブルス練習をする!!」


スミレの声と同時に練習が始まった。
リョーマ・海堂ペアは乾・河村ペアと試合する事になった。
結果・・・6−4でリョーマ・海堂ペアが勝利した。


リ:「やったスね。」

海:「ああ、そうだな。」

乾:「海堂。今日のブーメランスネイク、一段とキレが良かったな。」

海:「どうもッス。乾先輩の御陰です。」

リ:「・・・・・。」

河:「越前のドライブBはやっぱり凄いな!」

リ:「え、あ・・・まだまだッスよ。」

乾:「ところで海堂。新しいトレーニングメニューを作ってみたが、やってみるか?」

海:「ッス。」

リ:「(海堂先輩・・・。)」


部活終了後―
部室にはリョーマと海堂以外誰もいなかった。


「海堂先輩、今日一緒に帰れます?」

「悪い。今日は駄目だ。」


答えを解りきっていた質問をし、解りきった答えが返って来た事により、リョーマは決心した。


「海堂先輩・・・。」

「あ?どうした?」

「別れよう・・・。」

「なっ、何言ってんだテメェ!!」

「だって・・・海堂先輩、一緒にいてくれないじゃん!!
 俺より乾先輩と一緒にいる時間が多いじゃん!!!俺だって・・・寂しいんだよ!」


リョーマの眼から涙がぼろぼろと溢れ出てきた。


「サヨナラ・・・。」


涙を流し、笑顔で部室を出て行った。

海堂は、何日か前にレギュラーメンバーでカラオケに行き、リョーマが歌った歌を思い出した。
曲名は覚えてないが、歌詞だけは覚えている・・・。


『諦めて恋心よ 青い期待は私を切り裂くだけ あの人に伝えて寂しい・・・大丈夫・・・寂しい』

『繰り返されるよくある話し 出逢いと別れ 泣くも笑うも好きも嫌いも』

『許してね恋心よ 甘い夢は波にさらわれたの いつかまた逢いましょう その日までさよなら恋心よ』

『あなたの傍では永遠を確かに感じたから 夜空を焦がして私は生きたわ恋心と』


『せめて最後は笑顔で飾らせて』


海堂の眼からも自然と涙が流れていた。


「越・・・前・・・。本当に・・・最後にするのかよっ・・・!?」

「海堂!?どうした?」


乾は海堂が来るのが遅い為、見に来たのだ。


「・・・。何でもないッス。すみません。今日は帰っても良いですか?」

「あ、ああ・・・。構わないよ。」

「お疲れッス。」


海堂は去って行った。


「お互い言葉が少ない上、海堂はトレーニングを選んでしまうからな・・・。」


乾は一言呟き、部室を後にした。
次の日、リョーマと海堂はギクシャクしつつも上手く練習出来ていた。

―大会当日―


「では、皆、油断せずに行って来い!!」

『オ―――!!!』


帰って来た手塚はベンチコーチをしてくれる。

―決勝まで進んだのはリョーマ・海堂ペアだけだった。
大石・菊丸ペアも準決勝まで来たが、立海大の真田・切原ペアに敗れてしまった。


手:「越前、海堂・・・頼んだぞ!」

大:「切原には気を付けろ。英二の様になるかもしれない・・・。」

リ:「ウィース。」

海:「フシュ〜ウ。」


『○○大会決勝戦、青春学園・・・越前・海堂ペアVS立海大・・・真田・切原の試合を開始いたします。』


「まさか、またお前と戦う事になるとはな。」

「どーも。それはそーと、アンタの部員・・・ちゃんと鍛え直したら?」

「・・・どう言う意味だ。」
「アンタん所のある部員の戦い方が酷過ぎるよ。その内、死人を出すんじゃない?」

「・・・・・・。」


リョーマはそれだけ言うと自分の位置に着いた。


「おい、越前。」

「何んスか?」

「あんまり相手を挑発すんじゃねぇ。」

「挑発じゃ無いッスよ。注意ッス。早く自分の位置に着いたらどうですか?」

「・・・・・。」


リョーマと海堂の関係はまるで、初めて出逢った時の様な感じだった。
そして、試合が始まった。
最初は真田・切原がリードしていたが、リョーマ・海堂ペアも追い上げていった。


「しまった!ロブを上げちまった!!(切原が狙うのは・・・越前か?)」

「残念・・・。狙いはテメェだよ!!」

「海堂先輩!!!」

「海堂!!」

「うっ・・・!!!」


海堂は切原の強烈なスマッシュを膝に受けてしまった。


「まだまだ行くぜ・・・!!!」


それから何度も切原は海堂を狙った。


菊:「このままじゃ、海堂も俺と同じ様に・・・!!」

乾:「切原の考えはあえて海堂を狙い、スタミナを奪っていくつもりだな。」

手:「海堂・・・。」

桃:「越前が取ろうとする前に切原の打球が海堂の膝・・・否、身体に当ってる。」

不:「・・・・・!?越前!!!」

全:「!?」


不二が叫び、皆、コートへ目を向けた。
皆の眼に映ったのは切原の打球を受けたリョーマの姿だった。


「あーあ。何自分から当ってんだか・・・。」

「別に・・・。前にも同じ事があったし、もう慣れたよ。どう?俺を狙う気になった?」


リョーマの言葉に切原は・・・


「全然・・・。」

「・・・・・。そう。だったら、俺は全力で取るよ!」


リョーマは言葉通りに打球が海堂に当る前にボールを取り、打ち返したり、打球を受けたりした。


「越前・・・。」

「切原赤也・・・危ないやっちゃなぁ。」

「おい!越前のヤツ傷だらけだぜ!!ペアの海堂も!」

「チビ助・・・。」


「亜久津先輩、千石先輩!越前君が大変です!!」

「小僧・・・。」

「越前君・・・。」


「橘さん・・・。」

「越前・・・、海堂・・・。」

「越前、マムシ・・・勝て!!!」


「越前・・・!!」

「勝たなきゃ君達らしくないですよ。」


「越前君!!海堂さん!!頑張って下さい!!!」

「剣太郎を倒したお前達ならやれる!!」


「私が見込んだ貴方なら出来るわ。」

「俺に勝った上、神城に勝った越前とペアのお前等なら負け無しだろう?」



桃:「氷帝・・・。」

大:「山吹・・・!」

菊:「不動峰も・・・。」

不:「裕太に観月・・・。」

乾:「六角・・・。」

河:「城成湘南・・・。」

竜:「リョーマ!!」

全:「・・・!!!」


またしても切原の打球が海堂の身体を目掛けて来た打球を取る為、リョーマは海堂の前に立ちはだかった。


「ありがとう・・・。不二先輩、忍足さん・・・!!」

不:「え?」

跡:「あーん?お前、越前に何かしたのか?」

忍:「何にもしておらへんで?」


「上手く出来るかな・・・。」

海:「越前―――!!!」

リ:「はぁっ!!!」

全:「!?」


『30−15』


桃:「今のは・・・。」

手:「不二の・・・」

岳:「侑士の・・・」

不、忍:「羆落とし!!」
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