†私立青春学園†(更新停止中)
□†危険信号†(R)
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次の日の放課後、桔梗は図書室へ向かっていた。
―ガラッ
扉を開け、入るとそこにいたのは昨日の当番だったリョーマだった。
「越前、昨日当番だった筈じゃぁ・・・。」
「今日の当番の人が休んで、ジャンケンで決めた結果がコレっス。」
「大変だな。」
「華園先輩は?部活とか入ってるの?」
「ああ。弓道部だ。」
「行かなくて良いの?本なら昼休みにかりれば良かったのに。」
「5限目の世界史で課題を出されて、ソレの資料を探しに来たんだ。」
「大変っスね。」
「ああ。」
リョーマと桔梗が話していると・・・
「越前?お前、昨日も当番じゃなかったか?」
そこにいたのは海堂と桃城だった。
リ:「海堂先輩!本、借りに来たんっスか?桃先輩も?珍しい・・・。明日の天気を悪くするつもりっスか?」
桃:「お前なぁ〜;フツーの先輩だったら殴られてたぞ;」
リ:「8組も同じ課題が出されたんっスか?」
海:「お前、知ってたのか?」
リ:「ついさっきね。華園先輩から。」
桔:「少しな・・・越前と話してた。」
桃:「へぇー。華園と越前って仲良かったのか!」
リ:「昨日話したばっかりっスよ。」
海:「珍しいな。お前が女子と仲が良いなんてな。」
桃:「そうそう。竜崎には見向きもし無ぇのに。」
リ:「良いじゃないっスか、別に。」
桃:「まぁ、そーだな(笑)!そー言えば、頼みがあるんだよ!」
リ:「何っスか?」
桃:「課題に使う資料を探すの手伝ってくれよ〜!」
リ:「・・・。面倒っスので却下。」
桃:「頼むからよ〜!ファンタ奢るからよ!!」
リ:「二本で手を打つっス。」
桃:「おう!良いぜ!」
リ:「ついでだから海堂先輩と華園先輩の分も探すっスよ。」
海:「越前・・・。」
桔:「ありがとう。助かるよ。」
リ:「二人の分も桃先輩が奢ってくれますから。」
桃:「何本飲む気だよ!!」
リ:「冗談っスよ。」
桃:「マジにしか聞こえねぇな。聞こえねぇよ・・・;」
こうして4人は課題の為に使う資料を探し始めた。
「桃先輩のコレが良いんじゃないっスか?」
「おっ♪良いぜ!サンキューな!」
「華園先輩、コレは?」
「丁度良い。ありがとうな。」
流石は図書委員。桃城達に合う資料を見つけていく。
「あ。海堂先輩にはコレが良いかな?」
リョーマは海堂に合いそうな資料を見つけた。少し高い場所にある為、脚立を使う事にした。
「やっぱり丁度良いヤツ・・・ッ!!」
本と取ったのは良いが、リョーマは足を滑らし、脚立から落ちた・・・が。
「越前ッ!!!」
ドサッ!
「このっ、馬鹿!!怪我したらどーすんだ!!」
「海堂先輩・・・。」
リョーマが足を滑らした所を見た海堂は一目散に駆け出し、リョーマが落ちる寸前で受け止めたのだった。
「ありがとうございます。海堂先輩・・・。あっ、本、見つかりましたよ。」
「何が『本が見つかった』だ・・・!本当に馬鹿だな!!」
「え・・・。」
「ヒヤヒヤさせんじゃ無ェ・・・!!」
「海堂先輩。」
話す海堂の口調はいつもよりどこか違かった。
ソレと共に、海堂は受け止めたままのリョーマを強く抱きしめた。
「海堂先輩/////?」
「何も言うな・・・!!!」
「うん・・・。」
リョーマは海堂の肩に顔を埋めた。
「なる程なぁ〜。」
「良かった・・・。」
「何がだ?」
「越前が・・・幸せになれる事が出来る。」
「華園・・・。お前も越前が好きなのか?」
桔梗は桃城の質問には答えずに涙を流した。
「お前はスゲーな。スゲーよ。」
「・・・お互い様だ。」
桃城も目に涙を溜めてた。
リョーマに想いを寄せる者同士。お互いの痛みは解っている。しかし、痛みと共に自分の想い人が幸せになる事が自分達の幸せでもあった。