†私立青春学園†(更新停止中)
□†危険信号†(R)
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皆があの夢を見てから数日後―
今日は、リョーマが図書委員の当番でいつもより遅く部活に出る日だ。
「(暇だな〜。早くテニスしたいな・・・。)」
そう思っているとロングヘアーで髪を下ろしている女子がリョーマの前に来た。
「あ・・・。またアンタだ。」
「え?」
「2年7組の華園桔梗・・・先輩でしょ?」
「良く分かったな。」
「俺が当番の時や、仕事の時に良く見掛けるし、貸出しカードにも名前が書いてあるからね。」
「そうか。」
「華園先輩って海堂先輩と同じクラスなんだね。」
「ああ。」
「教室ではどんな感じなの?」
「海堂か?」
桔梗はリョーマに聞き返すとリョーマは頷いた。
「・・・。特になにもしていないが、時々、8組の桃城が来て喧嘩になったりするな。」
「桃先輩が来る度に喧嘩になるの?」
「否、教科書を借りに来たり、部活の話しをする時もあるが。」
「フーン・・・。そーなんだ。」
「越前は何故、海堂の事を聞く?」
「俺の名前知ってるの?」
今度はリョーマが聞き返した。
「勿論だ。部活の方でも有名だし、それに・・・・・。」
「それに?何スか?」
「否、何でも無い。」
「ふーん。華園先輩の話し方ってカッコいいっスね。」
「え・・・?」
「何か・・・、その辺の女子の話し方より大人びてて、親しみやすいっス。」
「//////。ありがとう・・・。」
「・・・。ねぇ、華園先輩って好きな奴います?」
「何でだ?」
「俺、好きな人いるんっスけど、叶わないに近いから・・・。」
「・・・海堂か?」
「えっ?」
「皆は気付いてないが、私は気付いていた。時々、本を借りに来る海堂を見ている越前に。」
リョーマは数回瞬きをした。
「気付いてたんスか・・・。」
「ああ。とても嬉しそうだったな。」
「うん・・・。てか、俺・・・華園先輩にバレてたんじゃん。」
「フフッ。」
少し慌てているリョーマを見て、桔梗は楽しそうに笑った。しばらくして、リョーマは俯いた。
「どうした?」
「男が男を好きになるって気持ち悪いっスよね。」
「・・・。私は・・・私は、気持ち悪いなんて思わない。」
「え?」
「良いんじゃないか?同性愛も。」
「華園先輩・・・。」
「隠さなくて良い・・・。大丈夫だから。」
「ありがとうございます・・・!」
リョーマは嬉しそうに御礼を言った。
「(これで良い・・・。越前にはいつも笑っていてほしいから。私はそれで、幸せだから・・・。)」
桔梗はリョーマに想いを寄せていた。
しかし、桔梗は自分の幸せよりもリョーマの幸せを願っている。
大好きな人だからこそ幸せになってもらいたい・・・。それこそが桔梗の幸せでもあった。
だが、それを壊す者が近付いているとはまだ、誰も知らない。